花の仕事をしたいあなたに【フリーのフラワーデザイナーの仕事】 | オーダーメイドのプリザーブドフラワー専門店 アトリエ・ノッカ(東京・世田谷) | オーダーメイドのプリザーブドフラワー専門店 アトリエ・ノッカ
花の仕事をしたいあなたに【フリーのフラワーデザイナーの仕事】
ここ数日、「将来、わたしもお花を仕事にしたい!」という方からの相談というか
会いたいというお願いをされることがあったので、うれしい限りです。
しかし、ちょっとその前に少し心にとめてほしいなと思うことを書いてみます。
フラワーデザイナーをフリーランスでやるということはどういうことか、
あまり偉そうなことはもちろん言えませんが、
仕事にし始めたばかりの、仕事にしたい人たちの少し先を行く者ならではの視点
というのもあると思いますので、書いてみることにします。
基本的な認識として「フラワーデザイナーのお仕事」と聞くと、
「かっこいい!」
「好きなお花を作れるなんてすてき!」
というイメージを抱かれることが多いのですが、それは仕事のごくごく一面です。
確かにそういう面もあるのですが、
お花を仕事にしたい人が
こういう「あこがれ」だけを抱いて先走ると、とても危険だと思います。
基本的には、美しいものを扱う、「ガテン系」の仕事だと思ってください(笑)
あと、商売的には、労力が多いわりにもうからないのが一般的です。
正直、稼ぎたいのであれば、私は別の仕事をしていると思います(笑)
ただ、お花の仕事を通じて、たくさんの人に喜びを届けたいという
強い思いがあるからこそやっているわけで、やりがいはもちろんあります。
そして、自分が好きなことですし、仕事しながら自分も癒されるというのも事実です。
大変ですが、人に喜ばれるとてもいいお仕事だとも思っています。
会社にいると、社長や取締役がいますね。
総務、人事、営業、企画・販促、開発などなどいろんな部署がありますよね・・・
たくさんの人が働く会社では、仕事がいくつにも分業化されていることがほとんどだと思います。
でも、私のような一人でやっているフリーランスの花屋は、、、ええお察しの通り。
マルチタスクですね・・・
外注したり、うまく回る仕組みを整えたりしていく必要があります。
私は通常、以下に挙げるようなお仕事を日々やっております。
プリザーブドメインのオーダーメイドのフラワーギフト制作・販売を
主な仕事にしているのでこんな感じですが
生花を扱う方は、市場からの仕入れ、
水揚げの作業やその後の水替えなどの管理がありますし
レッスンを持っている先生ですと、レッスンの企画や準備などが加わってきますが、
まあひとつの参考にはなるかと思います^^
【オーダーが発生したとき】
①ご紹介をいただきアポを取って会いに行き、ヒアリング
②ネットやSNS経由でお問い合わせをいただき、オンラインでヒアリング
↓
・作るアレンジを検討する
(原価計算をする)
・イメージを伝えて、了解をとる
・請求書を作って送る
・お支払い状況の確認
・仕入れ
・制作
・完成のお知らせ
・梱包
・運送会社さんに集荷に来てもらう
・発送のご連絡
・ちゃんとついたかどうかの確認とお礼
【通常発生する業務】
(営業系)
・HP,ブログ更新
・SNSチェック(Facebook,Twitter,インスタグラム)
・交流会などへの出席
・マーケティングや営業についてのセミナー
(事務系)
・メール処理
・会計処理(仕入れ先への支払い、交通費などの経費処理)
・業界の情報収集
【自己研さんのための活動】
・大手のお花屋さんその他の気になるお店を定期的にチェック
・他のジャンルの芸術に触れる
・今の流行のファッション、インテリア、食器、
広告などのクリエイティブに対するアンテナを常に立てておく
・花雑誌の定期購読
・仕入れはネットでもできるがデモ作品や商品知識を拡充するために
資材屋さんに出向いて仕入れ
・プロ向けのアレンジメントの講習やセミナー、レッスンを受ける
【イベント出店をする場合】
・商品企画
・仕入れ
・制作
・梱包
・POPやチラシ、値札、お釣りの準備
・什器の手配
・イベントの告知(リアルとネット)
・当日の商品搬入、売り子、撤収作業
・・・と、まあこんな感じですかね。
たくさんありますでしょ?
繁忙期は、睡眠時間がなかなか十分に取れないことも多く
十分な気力、体力が必要です。
そして、見ての通りですが
アレンジメント制作に割くことができる時間って、実はそんなに多くないんです。
それ以外の事務処理とか営業系の活動にかかる時間や労力が
かなり必要になってきます。
もしあなたがお花だけを作っていたいとしたら、それは難しいと思います。
おけいこにとどめておくか、花屋さんでアルバイトをするか、
趣味でお友達に作ってあげるくらいにとどめておいたほうが幸せかもしれません。
私は前職では事務系の会社員でして、
IT系やモノづくり系の新規事業の立ち上げ支援もしていましたし
中小企業診断士の勉強を(雑にですが・・・)一応やったこともあり、
ある程度であれば仕事の動かし方を知っていますが
もし何もかもわからない状態で、
何の支援もなければ途方に暮れてしまうかもしれません。
ぜひ、お花を仕事にしたいと思う方、
特にフリーランスでお花の仕事をしたいという方へ。
アレンジメントの腕を磨けば、優秀な職人にはなれるかもしれませんが、
お仕事を継続していく上では、それだけでは足りないということを
肝に銘じておく必要があると思います。
ぜひ、お花の勉強と合わせて、ビジネスのお勉強をされることを強くお勧めします。
私はこの手の仕事があまり苦にならないということが、自分の強みであり
アドバンテージだと思っています。
脅かしているわけではありません。
お花の仕事は非常に尊い仕事だと思っています。
お客様に喜ばれた時のうれしさは本当に苦労が吹き飛ぶうれしさです。
でも、飛び込んだあとで後悔しないように書いてみました。
私もまだまだひよっこですが、自分を救ってくれたお花の力を信じています。
これからもこの仕事を継続していけるように、工夫しながら頑張っていきたいと思っています。
少しだけ先輩の私から、お花屋さんを夢見る他業界の若い人たちに向けて
ちょっと心にとめておいていただきたいことでした。
一部上場企業にて、新規事業の支援や契約審査といった企業法務の仕事に8年以上たずさわる。
しかし、結婚後がんばりすぎて体調を崩し、リハビリで始めたフラワーアレンジの世界に魅せられ、心機一転、花の世界へ。
メイフェアフラワーズ代表・村田さとみ氏にプリザーブドフラワーアレンジメントを、デザインフラワー花遊にてブライダルフラワーを学んだのち、創作活動を始める。
花の持つ力で注文されたお客様や贈り先に幸せと安らぎを届けるべく、東京・世田谷区の自宅アトリエでプリザーブド&アーティフィシャルフラワーを中心とした オーダーメイドのフラワーアレンジやフラワーアートの創作を行っている。
さらに、自身が直面したパートナーシップ上の課題や婚活、結婚生活における経験を元に幸せを運ぶインテリアコーディネーターとしても活動を拡大中。
趣味は、大学から続けるクラシックギターと家庭菜園。
家族は、夫と元気一杯の息子がひとり。
ワーキングマザーとしても育児に奮闘している。
愛知県・名古屋市出身。
早稲田大学法学部2006年卒。
スペースデザインカレッジ インテリアコーディネーター科&研究科2017年卒。
資格:
日本プリザーブドフラワー協会 認定会員
同協会 ギフト・百貨店販売代理店
インテリアコーディネーター
マンションリノベーションアドバイザー