ものを「デザインする」ということ。 | オーダーメイドのプリザーブドフラワー専門店 アトリエ・ノッカ(東京・世田谷) | オーダーメイドのプリザーブドフラワー専門店 アトリエ・ノッカ
ものを「デザインする」ということ。
今年度、毎週土曜日は
専門学校で若い人に交じってインテリアデザインを学んでいます。
(よって付き合いが悪くなっています。すいません)
インテリアデザインと現在の私の仕事との共通点は、「デザインする」という点。
どうやってデザインを構築していくのか、について
どんな分野にも共通する考え方をあらためて確認できています。
そしてそれが自分のやってきたこととリンクしているので
ああ、この方向でいいんだなということを再確認しています。
さて、今日みなさんは、学校や職場や、買い物に行く途中で
「デザイン」されていないものを見ましたか?
それは何でしたか?
即座には答えられない人、意外といますよね。
植物?
・・・それはちょっと広すぎるなあ。
街路樹だって、どこに、どういう間隔で、何を植えるのか、
誰かが設計していますよね。
川・・・?
川だって、大雨が降って氾濫するのを防ぐために
川幅を調整したり、川底を深く掘ったり、護岸工事をしたりすることで
やはり設計されているものなのです。
人が設計していないものは
空とか、空き地の雑草とか、虫とか、鳥とか、人間くらい。
ほかは、みんな誰かがデザインしているんです。
世の中は、こんなにもデザインにあふれているのです。
なんだか感動を覚えませんか?
日本の人はデザインにはお金を出したがらない。
だから、モノの売値のなかに見えない形で織り込まれている。
そして時に無いもののように扱われる。
けれど、あなたが何かを買うとき・使うときには、
必ず誰かがそれをデザインしているのです。
しかし「デザイン」って、日本語にはしにくいみたいですね。
設計とか、計画って一応訳すけど、なんだか物足りない感じ。
概念的にはもう少し広そうです。
色々な議論はありますが、語源を調べてみると・・・
「デザインの語源は、デッサン(dessin)と同じく、
“計画を記号に表す”という意味のラテン語designareである。
つまりデザインとは、ある問題を解決するために思考・概念の組み立てを行い、
それを様々な媒体に応じて表現すること」(Wikipediaより)
デザインは単なる見た目のよさ、という単純な話ではなく、
だれかの「問題を解決する」のが「デザイン」なのです。
日常にあふれているデザインの意図を探ってみると
世界がまた違って見えてくるかもしれませんね。
さて、この「問題解決」であるデザイン。
どうやって作り上げていくのでしょうか。
デザインを構築していくには、
まずは相手の課題・問題が何かを発見することが必要です。
解決すべきものがなければ何もできませんからね。
問題解決、というと堅苦しいですが、
お客様の「目的」、もっとかみ砕くと「こうなればいいな」「もっとこうしたい」
「こうなりたい」を探るといってもいいかもしれません。
そこから、出てきた要素を問題解決や目的の実現のために
最適な形で再構成して、お客様の前にポンと出す。
これがデザインするということの本質なのだと思います。
「センスがいい」、とは、だれもが何の気なしに使う言葉だけど。
こういう問題解決に役立つものをたくさん選び出して、
それを問題解決に役立つ形で適切に再構成できる腕を
持っているということなのではないでしょうか。
「センスがいい」と結構言っていただけるのはとっても嬉しいのですが
恐らく、それはお花や素材の合わせ方がおしゃれだということもあるのだと思いますが、
お客様が言語化できないような細かいポイントまで気づいて、
上手くそれを作品に反映させられたために、
お客様が喜ばせたい相手を喜ばせることができたからだという実感があります。
前職ではさんざん、問題解決に心を砕いてきましたしね。
全国のあらゆる部署の人からの
何千件もの商取引の相談に乗り、
取引の中身を整理し、
必要な事項を選び出し、
契約書に落とし込み、
それをベースに相手方と交渉し、
取引の性質や目的を踏まえて
落としどころを探っていく。
こういう作業を何千件とやってきたわけです。
そこで培ったヒアリングと、契約書に必要なリスクの把握、
そしてそれをクリアするべく交渉する力。
こうした一見堅苦しい作業だって
商取引をデザインしている、といえると思います。
これを、私はいまの花の仕事にも応用しているんですよね。
意識的にも無意識的にも。
お花を贈りたい、また自分のお家やお店に飾りたいという方の
目的や、想い、背後にある思い入れ、喜び、楽しさ、をくみ取り
そして贈り先の方のイメージ、身長、贈るシチュエーション、日時、ご予算など
細かくうかがって、なるべくたくさんの要素を出します。
それらを統合し、お客様との間で大体のイメージを共有し、
それから細部を作り込んでいきます。
もちろんフラワーデザインの技法や
プリザーブドフラワーや花器その他の資材の知識、
そして特有の色やその組み合わせ、インテリアテイストについての理解など
フラワーデザインに関する幅広い知識はもちろん必要です。
今後も、お客様にもっと喜んでいただくために、
フラワーアレンジの知識・技術とともに、
問題解決力=デザイン力 を、磨いていきたいと思います。
こうして過去の仕事が今の仕事に明確にリンクしていることを
気づかせてくれたインテリアや建築の学び。
多少無理をしてでも挑戦してよかったなと思っています。
あと半年ちょっと、踏ん張りたいと思います。
あ、でもデザインすることって、誰もがやっていることだと思います。
皆さんも自分の生活、自分の人生のデザイナーですから。
あなたも私も、自分の人生に、
この問題解決=デザイン思考を取り入れてまいりましょう。
人生の主役であるあなた自身がどうなりたいのか。
それをまずはっきりさせることが難しいケースも多いし
突然見つかったり、変わったりすることもあるけれど。
それはそれでいいじゃあないですか。
好きにすればいい。
見つけたくない、必要がないと思うのならそれだって
自分のことがよくわかっていて素晴らしい。
でも、今はよくわからないけれどはっきりさせたい、という状態なら
何度もあきらめずに考え、
それにつながる行動を重ねていくうちに
徐々にわかってくるのではないでしょうか。
もしこれかも、あるいはこれだ!という目的があるのなら
そうあるためにはどうすればよいか
ありとあらゆるものを書き出してみて、
その目的に沿った行動・環境を手に入れるために
取捨選択し、行動あるのみですね。
私自身も常に我が身を振り返りながら行動していきたいと思います。
では、今日はこの辺で。
アトリエ・ノッカ
野村絵美子
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一部上場企業にて、新規事業の支援や契約審査といった企業法務の仕事に8年以上たずさわる。
しかし、結婚後がんばりすぎて体調を崩し、リハビリで始めたフラワーアレンジの世界に魅せられ、心機一転、花の世界へ。
メイフェアフラワーズ代表・村田さとみ氏にプリザーブドフラワーアレンジメントを、デザインフラワー花遊にてブライダルフラワーを学んだのち、創作活動を始める。
花の持つ力で注文されたお客様や贈り先に幸せと安らぎを届けるべく、東京・世田谷区の自宅アトリエでプリザーブド&アーティフィシャルフラワーを中心とした オーダーメイドのフラワーアレンジやフラワーアートの創作を行っている。
さらに、自身が直面したパートナーシップ上の課題や婚活、結婚生活における経験を元に幸せを運ぶインテリアコーディネーターとしても活動を拡大中。
趣味は、大学から続けるクラシックギターと家庭菜園。
家族は、夫と元気一杯の息子がひとり。
ワーキングマザーとしても育児に奮闘している。
愛知県・名古屋市出身。
早稲田大学法学部2006年卒。
スペースデザインカレッジ インテリアコーディネーター科&研究科2017年卒。
資格:
日本プリザーブドフラワー協会 認定会員
同協会 ギフト・百貨店販売代理店
インテリアコーディネーター
マンションリノベーションアドバイザー