わたしが花を仕事にするまでシリーズ。
もう、「その4」になりましたが、ここからが少し書きづらくて遅くなりました。
その6くらいで終わるかな~(^^;)
ためらってきましたが アップしちゃおう!
これまでの記事はこちら↓↓↓
私が花を仕事にするまで【その1】
私が花を仕事にするまで 【その1】
私が花を仕事にするまで【その2】
私が花を仕事にするまで【その2】
私が花を仕事にするまで【その3】
わたしが花を仕事にするまで【その3】社会人生活のスタート
さて、ここから正直どう書くのがいいのか,
悩んでしまうところでもあります。
オーダーメイドのフラワーギフトを通じて、
いろいろな方々の幸せを運ぶという職業柄、
自分の影の部分をさらすことに
ためらいの気持ちがないわけではありません。
しかし、私の影の部分をさらさないと
なぜここに至ったかがわからないので・・・
少しづつおつきあいください。
倒れてから、回復に向かうまで道のり
1.わたしの治療方針―薬にできるだけ頼らない
「もう会社に行っちゃだめ!すぐ休みなさい」
「まずは休息。脳がとろけるほど休んでください」
と言われた私・・・
ただでさえ仕事が回っていない少人数の部署でしたので、
もちろんいきなり翌日から休めるわけではありませんでした。
いつも必死に元気を装っていた分、
周りに与えた衝撃も大きかったと思います。
体を引きずるように会社へいき、
もうろうとしながらなんとか引継書をまとめて、
データのありかもまとめ、
3日間の引継ぎをへて、お休みに入りました。
あとで「そんなことしちゃだめだったのに!」
と主治医に怒られましたけど・・・
なかなかねえ・・・責任感が強すぎました。
最後まで、なんとか気を張って頑張ったのですが
休みに入った日から、
ぷつりと糸が切れたように体が完全に動かなくなり
赤ん坊のようにこんこんと1日15時間以上眠り続けました。
体が、とにかく休息を求めていたのかもしれませんね。
「とにかく、これ以上頑張るな」
「もう、これまでの考え方・生き方ではもたないよ」
「自分をもっと大切に」
という体からのメッセージだったんだと思います。
休みに入る前は、
申し訳なさと悔しさでいっぱいだったのですが
休みに入ったら、意外に
「もう無理して会社に行かなくてもいいんだ・・・」という
ホッとした気持ちに不思議となりました。
途切れなくどんどん重なる仕事の依頼に、
じっと耐えなくていい。これはかなり救いでした。
そして、主治医にも恵まれました。
私の希望したことは「できる限り薬に頼らない」こと。
薬だけで治るものではない。
以前から心の問題に興味があり
いろいろな本を読んでいたので、そう感じていました。
結局は、本人の生き方、偏った考え方も変えていかないと無理。
抗うつ剤の弊害は何年も前から言われていることですが
私の周りにも何人か、抗うつ剤で何年も回復できない、
前よりもひどくなっているんじゃないかという人がいました。
もちろん病状にもよりますから、
医師とよく相談する必要はあります。
でも有無をいわず「ハイ、薬ね」と安易に処方されるお医者さんは
ちょっと警戒したほうがいいと思っています。
初めて病院に行った時も
薬をじゃぶじゃぶ使おうとする先生なら
すぐ帰ろうと思っていましたが
理解ある人だったので良かったです。
結局、治療期間中のひどいときに一度、
すすめられたことはあったものの
不眠症状の解消のために、睡眠導入剤を飲んだだけですみました。
2.「休む」ことの難しさ
「脳が溶けるほど休め」と、
とにかく休息をとることを勧められた私。
そもそも「休む」ことがわからなくて、悩みました。
これまでがむしゃらに頑張ってきて
いきなり「脳が溶けるほど休め」と言われても・・・困惑しますよね。
寝たきり状態のときは動こうとしても無理だったのでいいのですが、
少し回復してきた時が困りました。
ついつい何かしようとする自分を抑えて
どうにかこうにか休もうと頑張る、という本末転倒っぷり。
でもこれまでの仕事上の
「あれしなきゃ!これしなきゃ!」
(しかも後ろ向きな仕事多し)が
なくなっただけで、精神的な負担はかなりへりました。
だんだんと凝り固まっていた体も少しほぐれて
じょじょに前より呼吸がしやすくなっていきました。
すこしづつ、家の中のことができるようになり、
引きこもりの生活からやっと脱して
少しだけ外を歩けるようになりました。
でも、義務感から動かないように気を付け、
やりたいなという気持ちになることだけをするようにしました。
これは今でも、そう心がけています。
自分を無理に追い込まない。
自分がいやな気分になる人、物事、には近づかない。離れる。
それが自分の力を無理なく発揮するためには必要だと思ってます。
3.回復に役立った取り組み
1)部屋の片づけ
私が少しづつ始めたのは、部屋の片付け。
会社員時代に手が回らなくてぐちゃぐちゃだった部屋のなかを、
少しづつ整理していきました。
何もできない自分に、つい嫌悪感を抱いてしまうことがあったので
少しでも達成感を味わえることをしたかった。
部屋がすっきりしていくと同時に
心もすっきりと晴れるような気持になりました。
これは本当にやってよかったと思います。
この作業は同時に、
自分の人生や、毎日の生活の中で何を大事にしたいのか
どう生きていきたいのか、という確認をする作業にもなり
改めて自分を見つめなおす助けになりました。
2)散歩
うつ病というのは、
セロトニンが脳内でうまく作れなくなる病とも言います。
このセロトニンを作るには、
日の光を浴びるのがいいということを知ったので
寝たきり状態を脱してからは、
ランチがてらすこし家の周りを歩くのを日課にしました。
運動は嫌いなのですが、
ちょうど桜や雪柳の咲くころ、
近所の公園や緑道には花が咲き乱れていて
季節の花々を見るのが楽しみで長続きしました。
歩いていると、ふと、母方の祖母に手を引かれ
いろいろな草花のことを教えてもらった
子供の頃のことを思い出しました。
忙しい毎日の中で、
道に咲く花に目を止める余裕をなくしていた ことにも気づきました。
目に映る花たちはどこまでも優しく、
無言で自分を無条件に受け入れてくれている、
そんな気がしたものです。
毎日の生活の中で、
ちょっとでもいいから花や草木に触れてパワーをもらうこと。
これが意外と大事なんだなと、実感しました。
この実体験も、今の仕事に通じています。
3)自分の幼少期を振り返る―傷ついたことに気付くことから
【私の少々特殊な生い立ち】
医師のカウンセリングを続けていると、なぜこうなったのか、
その一因が幼少期のすこし特殊な家庭環境にあることが、
すこしづつわかってきました。
元気になってきてから、
幼少期からの自分を振り返って、
そこにこびりついて離れない考え方の癖を見つけて、
それを変えていくことに挑戦したんです。
トルストイが「アンナ・カレーニナ」の冒頭で
「幸せな家庭はどこも似たようなものだが、
不幸な家庭はみなそれぞれに不幸だ」
と述べた通り、私は、ちょっと特殊な環境で育ちました。
仲の良い家庭ではありましたが、
その裏では宗教問題を抱えていました。
私は高校になるまで
村上春樹の1Q84の女主人公の世界のような世界で生きてきました。
(わかる人にはわかるかな)
どんな家庭にも問題はあるものだから、私だって例外ではない。
そう思ってきたのですが・・・
思っていたよりもずっと
精神的に深い傷があったことに改めて気づかされました。
長年、いろいろな知識を総動員して
自らと何とか折り合いをつけてきたつもりでしたが・・・
忘れかけ、封印してきた幼少期の傷に、改めて向き合うこと。
苦しかったけれどこれは回復への一つの大きなターニングポイントでした。
どういった心の傷と、どう向き合ったのか。
またこれも長くなるので近いうちにまとめてみます。
ではではこれで。
————
【書き終えて】
この文章が誰の目に留まるか、どこまで届くのか。
今の私には、それほど拡散力はありません。
それでも、これを書くことは非常に勇気がいることでした。
非常にセンシティブな内容だからです。
不幸ぶるつもりはありませんし、
同情なんて一切してもらいたくもないしね。
夫には、華やかなお仕事なのだから、
陰の部分をあえて見せる
必要はないんじゃないかともいわれました。
でも、、、
苦しくて苦しくて、葛藤し続けて病に倒れ。
でも、フラワーアレンジメントの世界に触れ、
花の力に救われ、癒されて。
プリザーブドフラワーを通じてお花の素晴らしさをお届けするべく
今の活動を元気にやれていること自体に
勇気づけられたり、希望をもつことができる人がいるのなら
それはとても意義のあることだと思うのです。
少しでも同じような病に苦しむ方々のヒントになればいいな、
病気でなくても、毎日の人間関係とか厄介な心の傷に
苦しんでいる人たちの希望になれたらいいな。
と思って書きました。
もちろん、オープンにしないこともできるし、
そっちのほうが楽です。
今まで勇気がなくて、そうできずにきました。
でも、私がここまできた過程をもっとオープンにしなければ
なぜ私がこのお花の仕事に行きついたのかを語り切れない。
なんともいえない不完全燃焼感があったので、
これまでのことをこうして振り返っています。
このシリーズ記事をご覧いただき
私がこの仕事をするきっかけとなった出来事や
お花の仕事にかけている想いを
知っていただけたらとても嬉しいです。
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プリザーブドフラワー作家
野村 絵美子
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